段文凝
アイドル戦国時代といわれて数年が経つ。そのなかでP.K.ディックや林芙美子を愛読書として挙げる西田藍は、文学アイドル、SFアイドルと呼ばれている。エキゾチックな美少女然としたルックスから、当然、子どものころからアイドルになりたいと願い続けてきたのかと思えば、そもそも人間の偶像にまったく興味がなかったという。その西田の気持ちを変えたモーニング娘。のコンサートへ至る道を振り返った。
アイドルがメディアの向こう側の存在だった20世紀。そのメディアとはイコール中央=東京のメディアでした。テレビといえば東京の民放キー局。出版社も新聞社も東京に集中しています。地方出身者にとって、アイドルになるということは、それは上京して芸能活動をすることを意味していました。東京に住んで、東京の事務所に所属し、東京のメディアで活動する、それがアイドルだと、皆が思い込んでいました。
その常識が、近年大きく変わろうとしています。地方に居を置いたまま、地方で活動するアイドルたちが次々に登場してきたのです。アイドルになることイコール上京、という常識は、大きく変わりつつあります。
近年台頭してきた地方のアイドルたちは、住まいも拠点も地方のままアイドル活動を続けている一方で、必要に応じて東京に行き、中央のメディアやイヴェントに参加しています。新潟のNegicco、仙台のDorothy Little Happy(ドロシーリトルハッピー)、福岡のLinQのように、東京のレコード会社に所属しながらも、地元で継続的に活動を行いつつ、必要に応じて東京に出てくるというスタイルです。
これを可能にしたのは、交通機関の発展やネット環境が整備に伴い、地方と東京の情報格差が縮まったことや、人の動きが活発になったことなどが考えられます。
そしてその結果、東京の中央としての役割が、相対的に減少したということです。
かわいい女の子に彼氏が居ないはずなどない(という刷り込みがある)し、僕らみたいな気持ちの悪い大人を本気で一番愛してなどくれないなんてことはアイドルファンは心のどこかで知っている。そして何も知らない少女が時間が経つだけで女性になるのも知っている。世の中にあなただけ愛してくれる完全無欠の美少女などは居ない。ただ心のどこかで「もしかしたら」アイドルの言ってることは全部本当で、僕らのために一生懸命頑張ってると信じてみる。信じてみたい。いや、信じてるフリをしてるだけかもしれない。僕らはそこにいる少女を信じたくてアイドルを応援する。アイドルが付き合ってた云々のニュースで僕らが落ち込むのはその事実よりもアイドルとして僕らを騙し続けてくれなかったからである。アイドルをアイドルたらしめるのは自覚だ。それはアイドルにも僕らアイドルファンにも言える。僕らとアイドルの関係は美しくてはかない。はかないから美しいのかも。
とはいえ僕らの目の前に見えるアイドルはそんなこと気にせずどう見ても全力で頑張ってるのだ。僕たちは青春というものを経験できなかったから、できないと思ってるからアイドルを応援しているのかもしれない。しかし、彼女たちは自分たちの青春を投げうってレッスンし、ライブをして必死に僕らに語りかける。だからこそ薄っぺら雲視える恋愛の歌詞が僕らの心を撃つし、ポジティブなメッセージが僕らを励ますのだ。
サカモト:そう考えると、東京はしばらく何も起きてないんじゃないですか? ライブハウスでもクラブでも「1回ぶち壊されちゃったね」みたいなことありました?
飯田:今まさにぶち壊されてますよ、アイドルに。ライブハウスでバンドのライブを観ていたようなお客さんがどんどんアイドルに行ってますから。
サカモト:アイドルの予備軍みたいのがライブハウスにも出るようになったしね。
飯田:京都や大阪はまだそこまでじゃないかもしれないですけど、新宿のタワーもアイドルを売りやすいように改装したし、渋谷O-nestとか新宿LOFTみたいなバンドから人気のあるライブハウスでもアイドルのイベントが増えていたりして。
―バンド側からアイドルにアプローチして活性化させようって動きも見えますよね。
Sunday:うわー、東京変わってるなー! 小っちゃい頃は東京って、何かかっこいいものが集まってて、かっこいい人たちが遊んでる街ってイメージやったのに…。そういうのどうなってんの?
飯田:今はメインストリームがアキバとアイドルですからね。昔だったらかっこ悪いっていうイメージがあったオタクとかアイドル好きが、今こそ大きな顔をできる街が東京ですよ。
Sunday:全然違うわ! 不思議やわー。
飯田:だから、僕からするとワンダフルボーイズも奇妙くんもそうだし、tofubeatsくんとか、ちゃんと音楽してる人は関西の方が勢いある気がしますね。でも、tofubeatsくんとかもアイドルっぽいところと結びついて、東京で火が点いてる感じもします。メインストリームが変わったって、言い過ぎじゃないですよね?
男の人は
オンナのコより
ずっとロマンティスト
だけど
大人にしては
夢を見てる
時間が永過ぎるのかも
どんなにキミがアイドルを
好きだとしても構わない
でも
どんなに握手をしたって
あのコとは
デートとか
出来ないのよ
ざんねーん!!
アイドルばかり聴かないで
余計なお世話でごめんね
アイドルばかり見てないで
ねえ、わたしを見てよね
ねえ、もう少し見てよね
ふつうの人は
CDなんて
もう買わなくなった
そうね
夢中になれる
モノがあると
ホントにステキな人生
でも
どんなにキミがアイドルを
好きだとしても構わない
でも
どんなにお金を積んでも
あのコとは
キッスとか
出来ないのよ
ざんねーん!!
アイドルばかり聴かないで
心配してるのわかって
アイドルばかり見てないで
ねえ、わたしを見て
あのコとは
デートとか
キッスとか
結婚も
出来ないのよ
ざんねーん!!
アイドルばかり聴かないで
だんだんバカになるんだよ
アイドルばかり聴いてると
身体に悪いことだらけ
アイドルばかり聴いてると
体脂肪も
血圧にも
よくないのよ
ざんねーん!!
アイドルばかり聴かないで
大人にならなきゃダメじゃない
アイドルばかり見てないで
ねえ、わたしを見ていて
ねぇ、そんなにアイドルが好きなら
じゃあ、Negiccoにしてね
男の人は
オンナのコより
ずっとロマンティスト
だけど
大人にしては
夢を見てる
時間が永過ぎるのかも
どんなにキミがアイドルを
好きだとしても構わない
でも
どんなに握手をしたって
あのコとは
デートとか
出来ないのよ
ざんねーん!!
アイドルばかり聴かないで
余計なお世話でごめんね
アイドルばかり見てないで
ねえ、わたしを見てよね
ねえ、もう少し見てよね
ふつうの人は
CDなんて
もう買わなくなった
そうね
夢中になれる
モノがあると
ホントにステキな人生
でも
どんなにキミがアイドルを
好きだとしても構わない
でも
どんなにお金を積んでも
あのコとは
キッスとか
出来ないのよ
ざんねーん!!
アイドルばかり聴かないで
心配してるのわかって
アイドルばかり見てないで
ねえ、わたしを見て
あのコとは
デートとか
キッスとか
結婚も
出来ないのよ
ざんねーん!!
アイドルばかり聴かないで
だんだんバカになるんだよ
アイドルばかり聴いてると
身体に悪いことだらけ
アイドルばかり聴いてると
体脂肪も
血圧にも
よくないのよ
ざんねーん!!
アイドルばかり聴かないで
大人にならなきゃダメじゃない
アイドルばかり見てないで
ねえ、わたしを見ていて
ねぇ、そんなにアイドルが好きなら
じゃあ、Negiccoにしてね
サカモト:そう考えると、東京はしばらく何も起きてないんじゃないですか? ライブハウスでもクラブでも「1回ぶち壊されちゃったね」みたいなことありました?
飯田:今まさにぶち壊されてますよ、アイドルに。ライブハウスでバンドのライブを観ていたようなお客さんがどんどんアイドルに行ってますから。
サカモト:アイドルの予備軍みたいのがライブハウスにも出るようになったしね。
飯田:京都や大阪はまだそこまでじゃないかもしれないですけど、新宿のタワーもアイドルを売りやすいように改装したし、渋谷O-nestとか新宿LOFTみたいなバンドから人気のあるライブハウスでもアイドルのイベントが増えていたりして。
―バンド側からアイドルにアプローチして活性化させようって動きも見えますよね。
Sunday:うわー、東京変わってるなー! 小っちゃい頃は東京って、何かかっこいいものが集まってて、かっこいい人たちが遊んでる街ってイメージやったのに…。そういうのどうなってんの?
飯田:今はメインストリームがアキバとアイドルですからね。昔だったらかっこ悪いっていうイメージがあったオタクとかアイドル好きが、今こそ大きな顔をできる街が東京ですよ。
Sunday:全然違うわ! 不思議やわー。
飯田:だから、僕からするとワンダフルボーイズも奇妙くんもそうだし、tofubeatsくんとか、ちゃんと音楽してる人は関西の方が勢いある気がしますね。でも、tofubeatsくんとかもアイドルっぽいところと結びついて、東京で火が点いてる感じもします。メインストリームが変わったって、言い過ぎじゃないですよね?
かわいい女の子に彼氏が居ないはずなどない(という刷り込みがある)し、僕らみたいな気持ちの悪い大人を本気で一番愛してなどくれないなんてことはアイドルファンは心のどこかで知っている。そして何も知らない少女が時間が経つだけで女性になるのも知っている。世の中にあなただけ愛してくれる完全無欠の美少女などは居ない。ただ心のどこかで「もしかしたら」アイドルの言ってることは全部本当で、僕らのために一生懸命頑張ってると信じてみる。信じてみたい。いや、信じてるフリをしてるだけかもしれない。僕らはそこにいる少女を信じたくてアイドルを応援する。アイドルが付き合ってた云々のニュースで僕らが落ち込むのはその事実よりもアイドルとして僕らを騙し続けてくれなかったからである。アイドルをアイドルたらしめるのは自覚だ。それはアイドルにも僕らアイドルファンにも言える。僕らとアイドルの関係は美しくてはかない。はかないから美しいのかも。
とはいえ僕らの目の前に見えるアイドルはそんなこと気にせずどう見ても全力で頑張ってるのだ。僕たちは青春というものを経験できなかったから、できないと思ってるからアイドルを応援しているのかもしれない。しかし、彼女たちは自分たちの青春を投げうってレッスンし、ライブをして必死に僕らに語りかける。だからこそ薄っぺら雲視える恋愛の歌詞が僕らの心を撃つし、ポジティブなメッセージが僕らを励ますのだ。
「疑似恋愛型アイドルには限界がきているから、やめるべき」というと、「歌も上手くないし、ダンスも微妙。顔もそこそこの子が売れるには、処女性幻想、疑似恋愛幻想って付加価値がないとダメなんじゃないの?」との反論があるかもしれません。
しかし、現に疑似恋愛を抜きにしてもアイドルは成立します。なぜなら、アイドルのファンは疑似恋愛を求めるファンだけではないからです。「頑張っている子を応援したい」気持ちでアイドルを好きになるファンはいくらでもいて、彼らの需要は非常に大きいのです。
実際、「応援したい」型のアイドルは成功しつつあります。
たとえば、Perfume。ルックスはそれほどではないけれど、パフォーマンスの上手さ、楽曲の魅力、物語の魅力でファンを獲得しています。
たとえば、ももいろクローバーZ。ルックスもダンスもそれほどではなくても、「全力でカバーしている。(僕は今一番好きなアイドルです)
彼女たちの人気は、疑似恋愛を抜きにした「応援したい」需要で成立しています。
実際、Perfumeの子たちにスキャンダルがあったときは、一部をのぞいてそれほど騒がれませんでした。人気も全く落ちていない。仮に、ももいろクローバーにスキャンダルが起きても「お…おう…」と若干の生臭さにひく人はいても、AKBのように激烈な反応は起きないはずです。
最近では勢いがあるのは「応援したい」型のアイドルです。なぜなら、老若男女の需要を取り込めるから。実際、私の家族は全員ももいろクローバーZのファンです。
アイドル戦国時代といわれて数年が経つ。そのなかでP.K.ディックや林芙美子を愛読書として挙げる西田藍は、文学アイドル、SFアイドルと呼ばれている。エキゾチックな美少女然としたルックスから、当然、子どものころからアイドルになりたいと願い続けてきたのかと思えば、そもそも人間の偶像にまったく興味がなかったという。その西田の気持ちを変えたモーニング娘。のコンサートへ至る道を振り返った。
